Skip to content

ロレックスの歴史その5・復活と復権

1970年代に起きた、セイコーによるクウォーツ式時計の特許公開は、時計業界の一大転換となる大きな波となります。機械式時計よりも遥かに精度の高い時計が、廉価で販売される時代が訪れました。クウォーツショックから15年の間で、世界の時計メーカーの実に3分の2が競争に敗れて消えていったとも言われます。この激動の時代の中、腕時計で世界をリードしていたスイスでは、時計メーカーが1620社から560社にまで減少する壊滅的な状態だったと言われています。

スイスの時計メーカー各社は、遅れを取り戻す為に機械式のムーブメントを続々と放棄して、クウォーツの開発に乗り出しました。ロレックスはこの流れから取り残される形となり、クウォーツ式時計の開発で後塵を拝してしまいます。しかし、この状況がロレックスにとって幸いします。クウォーツショックの中で、他のスイスメーカーが機械式時計を放棄する中、それでも機械式時計をかたくなに作り続ける期間が続きました。

これがスイスメーカーのムーブメントが廃れる中で逆に評価の対象になります。10年以上の時間をかけて、ロレックスの機械式時計に対する高い再評価へと繋がって行くのです。こうして、クウォーツショックを乗り切ったロレックスは、1980年代から始まった機械式時計の復権に乗り復活の道を辿って行きます。一時は物にならないクウォーツ式時計を制作していた時期もありましたが、世の中の高級時計に対する意識が変わる中、一貫して作り続けてきた機械式時計が復活を後押しします。

こうして、ロレックスは現代に再び繁栄の時代を迎えているのです。多種多様なモデル、そして、豊富なバージョンの存在は、腕時計のファンを魅了してやみません。高級時計としての実用性と美観とを兼ね備えた、機械式時計の繁栄の時代をリードする存在として、現代も最先端を行くメーカーとして活躍しています。

Be First to Comment

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です